ヴァイオリンの基礎が学べない理由――なぜ音大教授も知らないのか

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基礎を教えてくれる先生が見つからない

 ヴァイオリン習っているのに、基礎きちんと教えてもらえない――そんな悩みを

 抱えていませんか?

 

 あるいは、基礎を習っているつもりでも、実は本来基礎を習えていないという

 こともあります。

 

 実際、当教室にも「現在の先生からは基礎指導がほとんどない」というご相談が

 寄せられます。中には、お子さんがコンクールで素晴らしい成績を収めている

 にもかかわらず、保護者の方がインターネットで調べて基礎を教えているという

 ケースもあります。

 

 ではなぜ基礎を教えてくれる先生が見つからないのでしょうか?

 実は、驚くべき理由があります。

 

料理で考えてみましょう

 まず、料理の話をさせてください。

 

 ほうれん草のバター炒めを何度作っても苦みが出てしまう。名品の食材に触れた人や

 有名料理学校の出身者や、有名料理店のシェフに習っても上手くいかない。

 「才能がない」「まあ、こんなものか」と諦めかける。

 

 けれども、バターが焦げすぎるとメイラード反応で苦味成分が発生すると知れば、

 もう苦いバター炒めは作らなくなります。

 

 さらには、焦がしバター風味にしたければ、焦げる前に火から下ろし、

 別のフライパンで炒めたほうれん草にかければいいと気づきます。

 

 もちろん、食材の良し悪しを知っていることと、料理の腕前は別問題です。 

 では、なぜ料理学校の出身者やシェフは、この簡単な調理の理屈を

 教えてくれなかったのでしょうか?

 

 それは、当たり前すぎて言わなかったか、バターが焦げていることに自分で気づけて

 当然だと思われたからでしょう。

 

メンデルスゾーンの協奏が弾けない理由

 メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏ホ短調(メンコン)の冒頭。

 pでありながらappassionatoという指示がある、あの可憐な「シ」の音。

 

 何度弾いても思うように弾けない。銘器に触れた人や、有名音楽学校の出身者や、

 有名楽団の団員に習っても変わらない。

 「才能がない」「まあ、こんなものか」と諦めかける。

 

 けれどもヴァイオリンの「シ」の音程には5種類あり、そのうちの特定の音程

 弾く必要があると知って、その音程で弾くことを学べば、メンコンの冒頭が弾ける

 ようになります。

 

 さらに、バッハの無伴奏のように、旋律の音程重音音程・開放弦の固定された

 音程の三つ巴が発生する場合も、この5種類の音程を使い分けて調整すればいいの

 です

 

 銘器や名弓を検分する知識と、演奏技術もまた別の話です

 しかし、なぜ音楽学校の出身者や楽団員は、この音程基礎

 教えてくれなかったのでしょうか?

 

 それは信じられないことに、殆どの音大教授も含めて、ヴァイオリン

 「シ」の音程が5種類あること知らないからです

 

 「そんなばかな」と思われた方は、ヴァイオリンの先生に「メンコン冒頭の『シ』は

 5種類ある『シ』の音程のうち、どれで弾けばいいのですか?」と尋ねてみて

 ください。

 

 ※メンコンの冒頭をどう弾くかについて、詳しくは

 『メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調冒頭で外せない「音」を「音楽」

 として奏でるコツ』をご覧ください。

 

基礎を教えられない理由

 なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか?

 

 音楽大学が増え、ヴァイオリンを学ぶ人が急増すると、一人ひとりに丁寧に伝える

 時間が取りにくくなりました。加えて、インターネットの普及により様々な情報が

 溢れると、“響き”によるヴァイオリンの音程の取り方という本来の奏法は、次第に

 影を潜めていきました。

 

 なぜなら、“響き”は「その場で直接聴かなければ伝わらないもの」だからです

 

 YouTubeでも録音でも伝えられない。録音技術にこだわったカラヤンでさえ、

 実演の“響き”を完全には収録できませんでした。

 

 そして今、多くの指導者が、楽器から出る“響き”を聴き分けて音程取る方法

 知らないまま、別の方法指導しています

 

 つまり、基礎を教えてくれる先生が見つからないのは、先生自身が基礎知らない

 からなのです

 

基礎とは何か

 では、ヴァイオリン基礎とは何でしょうか?

 

 それは、楽器から出る“響き”を聴き分けて、正しい音程取ることです

 

 ヴァイオリン正確音程は、楽器から出る音の“響き”の中に必ず正解が

 あります。チューナーでもピアノでもなく楽器自身が「ここが正しい音程ですよ」

 と教えてくれます。

 

 この“響き”を聴き取れるようになれば、数週間から1〜2ヶ月で演奏が変わり

 始めます。信号機の色を見分けるように正しい音程が「見える」ようになります。

 

 そして、その変化は音程だけにとどまりません。

 

 ベルリン・フィルのリハーサルや録音に参加させていただいた時、カラヤン氏は

 「もっと美しい音で」「もっと響かせて」といった指示を一切出しませんでした。

 それでも、あの圧倒的な「美音」が生まれていました。

 

 なぜか?

 

 カラヤン氏は、一音いちおんについて、その場に相応しい「あり方」を求めていた

 からです。求めるべき「音」に、求められるべき自然な秩序を与えることで「音楽」

 になる。その結果として、自ずと「美しい音」が生まれていたのです

 

 そして正しい音程という基礎の認識が完璧であることにより、各作品における

 音楽表現の深い部分が見えてくるのです

 

基礎を学べば未来が開ける

 冒頭の「基礎を教えてくれる先生が見つからない」という悩み。

 その答えは、もうお分かりいただけたと思います

 

 もしあなたが、何年も弾いているのに基礎に不安があると感じているなら。

 一生懸命に練習しているのに、思うように上達しないと感じているなら。

 あるいは、基礎習っているはずでも、成果が思うように出ないと感じているなら。

 

 それは、あなたの才能や努力が足りないのではなくヴァイオリン基礎、つまり

 「本来奏法」をきちんと教えられる先生にまだ出会えていないのかもしれません。

 

 基礎は、すべての演奏の土台であり、音楽表現そのものに直結します。

 当教室では、基礎から一貫した指導方針のもとで、音楽性を伸ばしながら

 長期的に責任を持って生徒を育てることを大切にしております。

 「現在の先生を習いながら、基礎だけを別の先生に習いたい」という

 ご依頼をお断りしているのも、基礎は「付け足し」ではないからです

 

 別の先生を習いながら基礎だけを別に習う――それは、バターを焦がし続ける

 料理人のもとで料理を作り続けながら、時々別の料理人に「焦げないコツだけ」を

 聞きに行くようなものです

 それでは、指導方針の混乱を招き、本当意味での上達は望めません。

 

 ヴァイオリン基礎学び正しい音程弾けるようになってくると、

 楽器もそれに応えて、ヴァイオリン本来美しい音奏でるようになります。

 豊かな響きが生まれ、運弓技術が洗練され、ビブラートの質が高まり、

 ポジション移動が安定し、表現力が深まります。

 

 すべては、“響き”による正しい音程の取り方から始まります。

 

 「音」を「音楽」にする。その第一歩を、一緒に始めてみませんか?

 

音大生・演奏者・指導者の方へ

 ただし、既に音楽大学で学ばれている方、演奏活動をされている方、あるいは

 指導者の方(ヴァイオリン先生)については、事情が異なります。

 現在の師弟関係を大切にしながら、基礎技術の補強を目指される場合、

 当教室での学習は既存の音楽教育との相乗効果を生むことを目指します。

 

 “響き”による正しい音程の取り方という基礎力が向上することで、

 現在の先生のもとでの学びがより深まり、どのような環境においても

 より良い成果を得られるようになります。

 

 詳しくは音大生・演奏者・指導者の方へのレッスンをご覧ください。

 

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 この記事でお伝えした“響き”による音程の取り方そして音程を土台とした

 運弓・ビブラート・ポジション移動など、300年の伝統的奏法による包括的な

 基礎技術の習得について、詳しくは

 ヴァイオリン基礎技術完全ガイドをご覧ください。

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