ヴァイオリンのポジション移動における〈鉄則〉と[原則]

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クロイツェル教本 ヴァイオリン ポジション移動 鉄則 原則 音程 取り方 解説 滑らか 運指 確実 上達

ヴァイオリンポジション移動…うまく出来ていますか?

 ヴァイオリンポジション移動…うまく出来ていますか?

 ・移動がスムーズに出来ない

 ・音程が不安で確実に取れない

 今までのなんとなくのポジション移動練習では、いつまでたってもそのままです

 

 でも、ヴァイオリンポジション移動

 〈鉄則〉と

 [原則]を知って正しい練習を行えば、問題は解決し、確実に上達できます。

 

 そこで、この記事では『クロイツェル教本』第11番の冒頭を例に、その

 〈鉄則〉と

 [原則]についてご紹介します。 

 

『クロイツェル教本』第11番冒頭

 下掲は、イヴァン・ガラミアン校訂のインターナショナル版クロイツェル教本

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 第11番の冒頭部分です

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 (私のサイトのクロイツェル教本のページにも書いたように

  ガラミアン校訂譜(インターナショナル版)のフィンガリングには

  初心者がヴァイオリンの基礎を体系的に学習するのには不向きな箇所も少なく

  ありませんが、この冒頭部分については問題ないので、この譜面で解説します)

 ここで

 Ⅴ:第5ポジションでの演奏

 Ⅲ:第3ポジションでの演奏を指定しているので

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 最初の3音だけE線で弾き

 残りの音は総てA線で弾くことになります。

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 その際

 ポジション移動に伴う運指を、運指の数字の表示でイメージさせると

 指を一本ずつ押さえる運指は、左手不安定になるため、当然避けるべきで

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 下の指もきちんと揃えて押さえる運指でも、まだ不十分で

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 最後に押さえた指の圧力をやや弱めて弦上を滑らせる移動を伴うのが、正しい運指

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 ヴァイオリンポジション移動では、このように左指を弦上で滑らせて移動します。

 

ヴァイオリンポジション移動における〈鉄則〉と[原則]

 ヴァイオリンポジション移動では、運指不安定になるのを防ぐために

 カエルが飛ぶように、指を弦から離して跳んで移動してはいけません。

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 押さえる圧力をやや弱めたうえで、左指を弦上で滑らせて移動するというのが

 ヴァイオリンポジション移動の、絶対的な決まりとしての〈鉄則〉です

 回転寿司の高速レーンで寿司が届くように、跳ぶことなく滑らせて、目的の場所で

 ピタリと停めるのです。これにより運指が安定し、確実ポジション移動できます。

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 そして左指を弦上で滑らせて移動するという〈鉄則〉のもと、上掲の譜例では

 ・手のひらを「2の指で運ぶ」(2の指を軸として左手全体を支える)

 ・その移動で「2の指を運ぶ」(2の指を弦上で滑らせる)運指をしています

 ただし、常に最後に押さえた指だけを使うわけではなく、状況に応じて1の指や

 その他の指を軸にしたり移動で使うこともあり、使う指は状況に応じて変わります。

 そうしたことから

 ▶「指で運ぶ」  

 ▶「指を運ぶ」というのが、ヴァイオリンポジション移動における[原則]であり

 [2大原則]と言えます。

 

ポジション移動における左手の手のひらの位置の〈鉄則〉

 既述のようにヴァイオリンポジション移動

 運指では、左指を弦上で滑らせて移動するという〈鉄則〉のもと

 ▶「指で運ぶ」  

 ▶「指を運ぶ」という[2大原則]が行われます。

 

 そして既掲のように

 クロイツェル教本第11番の冒頭では

 Ⅴ:第5ポジションでの演奏

 Ⅲ:第3ポジションでの演奏が指定されていますが

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 その

 第3ポジションと

 第5ポジションの左手の手のひらの位置についてもまた〈鉄則〉が存在します。

第3ポジションにおける〈鉄則〉

 『ヴァイオリンに飛び込まない――上達に‎見落とされがちな3つの準備と必読書』と

 『ヴァイオリンの名曲に見る伝統的な奏法 正しい音程の[壺]の実例』で紹介した

 "Urstudien" (Carl Flesch)に掲載されているように

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 第3ポジションあるいは第4ポジションで手の平が楽器の肩に接するようにします。

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 これが拠り所となり、安定したポジション移動が実現します。

第5ポジションにおける〈鉄則〉

 第5ポジションで左の親指がネックの付け根に当たるように構えることもまた、

 正しいヴァイオリン奏法指導された奏者は、常に厳守している〈鉄則〉です

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 これも拠り所となり、安定したポジション移動が実現します。

手のだけでは正しい音程は取れない

 けれども

 ▶「指で運ぶ」  

 ▶「指を運ぶ」という[2大原則]を踏襲しつつ

 弦の上で指を滑らせて移動するという〈鉄則〉を厳守しても

 第3・第5ポジションを取る手のの〈鉄則〉を厳守しても

 それによって正しい音程が取り易くはなるものの

 それを守れば正しい音程が取れるわけではありません。

 

 ポジション移動を行う際は、正しい音程を目指して行われるものなので

 ポジション移動をするには、正しい音程がわかっている必要があります。

 

 では、既掲の譜例の場合は、どのような音程正しい音程なのでしょうか?

 

『クロイツェル教本』の第11番冒頭部分の音程

 クロイツェル教本の第11番の冒頭部分では

 「シ」の音で弾き始め

 「ラ」の音を経て

 「ソ♯」の音でポジション移動して、ポジション移動した先でも同じ音程

 「ソ♯」になる必要があります。

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 ではその

 「シ」

 「ラ」

 「ソ#」は、それぞれどのような音程が正しい音程なのでしょうか?

「ラ」の音の音程

 ヴァイオリンの音程の取り方のページにも書いたように

 ヴァイオリンで調弦を正しく行うために[差音]は欠かせません。

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というように[ソ][レ][ラ][ミ]の音で調弦する際には


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調弦では

 

 

 

調弦では

 

 

 

調弦では

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差音

 

 

 

差音

 

 

 

差音が響くように調弦します。


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 関連記事

 『ヴァイオリン奏者必読!正しい調弦(チューニング)方法とは?

 もご覧ください。

 

 そして「ラ」の音の音程

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 開放弦「ラ」が共鳴する音程で取ります。

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「シ」の音の音程

 「シ」の音の音程

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 開放弦「レ」と完全にオクターブ上となる「レ」と調和させた音程取る場合よりも

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(音符の位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせています

 (譜例の符頭の点滅が、その重音音程

 調和した際に聞かれる[差音です


 開放弦「ミ」と調和する「シ」の音程と完全にオクターブ上の音程で取った場合が

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(音符の位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせています

 (譜例の符頭の点滅が、そま重音音程

 調和した際に聞かれる[差音です


 音程が高い「シ」となり、この譜例では後者の音程の「シ」を選択します。

「ソ#」の音の音程

 「ソ#」の音の音程も同様に

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 開放弦「レ」から興した「シ」と調和させた音程取る場合よりも

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(音符の位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせています

(符頭の点滅が、その重音音程

 調和した際に聞かれる[差音です


 開放弦「ミ」から興した「シ」と調和させた音程で取った場合が

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(音符の位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせています

(符頭の点滅が、その重音音程

 調和した際に聞かれる[差音です


 音程が高い「ソ#」となり、この譜例では後者の音程の「ソ#」を選択します。

 そして、開放弦から興してそれぞれの音程を説明しましたが

 そのように開放弦と調和する重音から音程を取らなくても

 例えば「シ」の音の音程の場合でも

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 音程の上下の微調整を行うと、響きの濃淡から既掲の音程が判別でき

クロイツェル教本 ヴァイオリン ポジション移動 鉄則 原則 音程 取り方 解説 滑らか 運指 確実 上達

音程位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせ

 音符の点滅の濃淡を変えて

 響くポイントをイメージさせています


 (「シ」の音の音程正確には5種類ありますが、ここでは聴取・判別し易い

  2種類に限定して説明・表示しています

 同様に「ソ♯」の音の音程の場合も

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 音程の上下の微調整を行うと、響きの濃淡から既掲の音程が判別できます。

クロイツェル教本 ヴァイオリン ポジション移動 鉄則 原則 音程 取り方 解説 滑らか 運指 確実 上達

音程位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせ

 音符の点滅の濃淡を変えて

 響くポイントをイメージさせています


 このように、開放弦と同名音では、開放弦の共鳴音で音程が確定されますが

 それ以外の、開放弦とは異なる音程においても、響きの濃淡で音程が確定できます。

 これこそが、ヴァイオリンの音程の取り方のページで書いたように

 ヴァイオリンで正確な音程を取るためには、楽器から出る音の“響き”を聴き分け、

 “響き”の凹凸の中から響く音を選び取るのが基本であり

 ヴァイオリン正確音程は、その響きの中に必ず正解があるということなのです

 ヴァイオリン正しい音程で弾くことが難しい楽器とされています

 音程の取り方は300年近い歴史の中で確立されています

 ヴァイオリン正しい音程で弾かれたときに、最も美しい音奏でる楽器なのです

 

ヴァイオリン演奏を支える〈鉄則〉[原則]

 『クロイツェル教本』第11番の冒頭だけでも

 ・ポジション移動は指を弦上で滑らせて行うという〈鉄則〉

 ・「2の指で運ぶ」「2の指を運ぶ」という2つの[原則]

 ・第3ポジション・第5ポジションの手の位置での〈鉄則〉

 ・それぞれの音符の音のヴァイオリンの音程の取り方

 これだけのことを踏まえなければ、きちんと演奏することはできません。

 

 ところが現代では、ヴァイオリン愛好者の急増や教育機関の多様化により、こうした

 〈鉄則〉や[原則]やヴァイオリンの音程の取り方が、必ずしも学び伝えられて

 いません。また、インターネットを通じた情報発信の自由化によって、本来の指導法

 が見失われがちです。その結果、必ず学び踏まえるべきそうした基礎が知られず、

 表面的にを弾き通すだけの練習をしてしまっているケースが増えています

 

「曲を弾き通す」だけでは得られない基礎を学ぶ

 イワモト ヴァイオリン教室では、単に曲を「通す」だけで終わらせず、必ず学び

 踏まえるぺき〈鉄則〉や[原則]やヴァイオリンの音程の取り方を指導しています。

 

 ▶『クロイツェル教本』も含むあらゆる楽曲で、ヴァイオリンの演奏法の基礎を伝授

 ▶一般の方に加えて音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンでも、その方法を伝授

 ▶基礎から応用まで、一歩ずつ確かなステップで身につけられます。

 

 今回はヴァイオリンのポジション移動における〈鉄則〉と[原則]とヴァイオリンの

 音程の取り方を、『クロイツェル教本』第11番の冒頭で例示しましたが、こうした

 先人達が築きあげた叡智に基づく基礎を学び重ねることで、あなたの演奏は、確実に

 そして効率的に上達できます。

 

 「を弾き通す」だけでは得られない、常に正しい音程演奏できる練習方法を、

 こうした指導の積み重ねで着実に身につけたい方は、イワモト ヴァイオリン教室

 ぜひお越しください。

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