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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
あなたの演奏で「何かが足りない」と感じる理由
ヴァイオリンを学び、奏でる方々――初心者はもちろん、上級者やプロに至るまで、
抱える課題は実にさまざまですが、「もっと上手に弾きたい」という上達に対する
強い思いは、あなたもきっと抱いていることでしょう。
でも、こんな壁にぶつかってはいませんか?
・音程は合っているはずなのに、どうも不自然に聴こえる
・技術的には弾けているのに、表現に深みがない
・教本を順番に進めているだけで、本当に力がついているか不安
当教室では、一般の方に加えて、音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンも行って
いますが、そうした方々でも、同じ課題を抱えていることが少なくありません。
以下に詳しくご紹介します。
同じ譜面でも「見え方」が変わる驚きの事実
例えば、次のような譜例をご覧ください。
一見して拍の流れが把握しづらく、音型の構造も明確ではありません。
これをそのまま練習しても、技術的な上達や音楽的な表現に結びつきにくいのです。
では、次のように符割りを整理した譜例ではどうでしょうか。
同じ課題、異なる効果
既掲の符割りされていない譜例は『クロイツェル教本』第23番の冒頭部分です。
『クロイツェル教本』では、第15番~第22番までトリルの課題が続いている
ためか、第23番を「指を素早く動かす技術練習」として、急速演奏の練習に
終始してしまっているケースもしばしば見られます。
一方、符割りを整理した譜例は、Ševčík Op.26に掲載されている
『クロイツェル教本』第23番を分析的に練習するためのアプローチです。
Ševčík Op.26に記されたこの譜例は、単なる符割りのバリエーションではなく、
▶拍のアタマがどこにあるのか?
▶フレーズはどこで始まり、どこで収束するのか?
を譜面上で明示し、音型・構造・拍感を分析的に捉える練習方法を示しています。
それは、"符割り"のアプローチに基づく“指導法”であり、この譜例のように
このように、同じ譜面でも「譜割りなし」と「譜割りあり」では、見える構造
だけでなく、練習効果や上達の効率にまで大きな差が表れるのです。
先人の叡智が詰まった「知られざる名教本」の真価
今回は、Ševčík Op.26から第23番の例をご紹介しましたが、この教本には
『クロイツェル教本』全42番総てに対する同様の分析的練習法が収録されており
まさに先人の叡智の宝庫です。
Ševčík Op.26は、その課題の綿密な分析において、クラシック音楽における
ヴァイオリン演奏技術の本質と様式美を掘り下げるうえでの「知られざる名教本」
と言えます。
また、『微細な違いに気づく? 気づかない? ヴァイオリンの音程を響きで
確定させることとは』でも取り上げたように
Ševčík Op.26は、「何を学ぶか」と同じくらい、「どう学ぶか」が重視されていた
かつてのヴァイオリン教育のその知的で体系的な学びの在り方を体現する教本の
ひとつでもあるのです。
R.KREUTZER Etudes-Caprices with analytic studies by Ot.Ševčík Op.26
先人の叡智が学べない!?
ここで、見過ごせない問題があります。
本来、教材の価値は"譜面そのもの"にあるわけではありません。
大切なのは、
「それをどの順番で、どのような意図をもって指導するのか」
「どの方法で、どの点を重点的に練習させるのか」といった使い方です。
こうした"指導法"こそが、単なる音符を並べた「音」を生きた「音楽」へと
変えるのであり、指導と練習の本質と言えます。
Ševčík Op.26には、『クロイツェル教本』を素材に先人たちが育んだその
"指導法"が凝縮されています。
ところが、その"指導法"が伝承されず譜面だけが残ると、状況は一変します。
指導者は
「どこに狙いがあるのか?」を説明できず、順番に弾かせるだけに陥りがちです。
学習者もまた、音符をなぞる作業に終始し、指が慣れただけで
結果として、Ševčík Op.26を一度も学んだことがない、手に取ったこともない、
存在すら知らない指導者が今ではむしろ多数派になってしまったのです。
運弓技術の継承断絶
『上級奏者必見!ヴァイオリンの運弓――様式と所作で表現力を高める』
で書いたように、ヴァイオリンの運弓に関して
表現を特に求められる曲は、バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ
同様にマックス・ロスタルによる校訂版からも、弓のどの箇所を使うべきかという
ことの基本が学べます。
さらにマックス・ロスタルによる校訂版『ローデ/24のカプリース』からは
弓のどの箇所を使うべきか、指の事前準備や保持の方法まで具体的に学べます。
しかし今、この遺産を学ぶ人はほとんどいません。
音程区別の認識消失
ヴァイオリンの音程の取り方においても、重要な知識が失われています。
『メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調冒頭で外せない「音」を「音楽」
として奏でるコツ』で書いたように
たとえば「シ」の音は
開放弦「レ」との調和で取る場合と「ミ」との調和で取る場合で音程が異なります。
[差音]を聴く耳の消滅
ヴァイオリンの音程の取り方のページにも書いたように
重音で正しい音程を取るためには、[差音]を聴くことが不可欠です。
ヴァイオリンを正しく調弦するためにも、[差音]を聴きながら行います。
[差音]は、2つの音が正確に取れていれば、どのような弦でも発生するものです。
世間では「差音を聴くには頻繁に新品の弦に替えなければならない」という誤解も
あることからも、[差音]について指導も学習も困難になっている現状が窺えます。
ヴァイオリン教育における「空洞化」
『すべてのヴァイオリニストへ捧ぐ――究極の美音と確かな演奏技術で劇的上達』
でも触れたように
ヴァイオリンの学習者は街の教室で学び始め、達者に弾けるようになると、音楽大学
への進学を志します。志望校の教授好みの演奏を短期間だけ習って無事に合格した後
は、世間一般では当然学ぶであろうと考えられているような高度な専門技術を学ぶ
機会は存在せず、只管に曲を弾きまくる“研鑚”を積んで卒業。その後は街の教室や
大学で教えたりしますが、高度な専門性と手間暇を要するヴァイオリンが確実に上達
する手法は、自身が学べていないため、教えることもできません。
こうした循環により、先人たちの叡智は伝承されず断片化し、今や空洞化した
本質は失われ、形だけが残っている――これがヴァイオリン教育の現状なのです。
「空洞化」がもたらす問題点
先人たちの叡智が伝承されなくなるにつれて、「表面的に弾き通すだけ」の
指導や練習が蔓延してきています。
これは、『ベートーヴェン/ロマンス』の記事中で詳しく書いたように
今でこそ本格的な日本食店があるものの、私が修行していた当時のパリで
九州ラーメンが、実はコンソメスープにスパゲッティ、ローストビーフ、
赤パプリカ炒めだったようなものです。
さらに極端に譬えるなら、白菜にケチャップとタバスコをかけて白菜キムチだと
言い張るようなものです。
白菜にケチャップを塗ってタバスコをかけても白菜キムチにはなりません。
それと同じく、本来の奏法には本物の"指導法"による学びが不可欠です。
表面的に味をつけるだけでは、乳酸発酵が生み出す深い酸味も旨みも育たないように
形だけの練習では、奏法の深みと説得力は得られない、つまり本当に上達したとは
言えないのです。
忘れられた"指導法"を取り戻す
でも、安心してください。失われた指導法は取り戻せます。
忘れられた"指導法"は、譜面や古い指導記録、名教師の教えを知る人々のなかに
断片的に息づいています。問題は、これをいかに現代のレッスン現場に取り入れるか
です。
1.教材を「弾き通し」から「分解して学ぶ」へ
Ševčík Op.26の譜例に見られるように、拍感・フレーズ・音型の構造を
意識して練習を組み立てる
2.指導者自身が「なぜこの練習を行うのか」を説明できる分析力を習得
教材の作曲者・編纂者の意図を探り、様式美としての表現習得へつなげる
3.レッスンのアプローチを体系化
教材の音型に対する構造理解に基づく運指・運弓の指導を行い、生徒にも
その理解とアプローチを常に意識させる
これらの手順を踏むことで、『クロイツェル教本』をはじめとする歴史的エチュード
の数々は、ただ弾き通す譜面から、現代の演奏者育成に資する"生きた教本"として
よみがえります。
本物の"指導法"による「究極の上達」
当教室では、一般の方に加えて、音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンでも
『クロイツェル教本』やŠevčík Op.26にとどまらない本物の"指導法"を伝授します。
ヴァイオリンの上達には欠かせない先人の叡智に基づく指導法、失われつつある
運弓技術やヴァイオリンの音程の取り方、[差音]の聴き方など、現代では学ぶこと
が難しくなっている本物の技術を体系的に学んでいただけます。
その真価は、すでに高いレベルにある方々ほど、より実感いただけるでしょう。
あなたがもし、
・表面的でない、深みのある演奏を身につけたい
・古典教材の真の価値を確めたい
究極の様式美と確かな上達をぜひあなたも実感してください。
先人たちが積み重ねてきた叡智――すなわち、「こうすれば上達できる」という
練習のやり方がすでにあるのだとしたら、それを学ばない手はありません。
今こそ、真のヴァイオリンの演奏技術を手に入れる一歩を踏み出しましょう。
東京都狛江市にある美しい音色・正しい音程・伝統の奏法重視の
「イワモト ヴァイオリン教室」
住所(狛江教室):〒201-0003 東京都狛江市和泉本町2-31-4メイプルビル301
営業時間 :10:30~23:30(日・月・水・木・土)
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カテゴリ: 究極のヴァイオリン奏法