メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調冒頭で外せない「音」を「音楽」として奏でるコツ

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 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
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 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

メンデルスゾーン ヴァイオリン 協奏曲 ホ短調 冒頭 叡智 礎 伝統 奏法 音 音楽 奏でる 秘訣 解説

その演奏、もっと素敵にしてみませんか?

 ヴァイオリンは、旋律楽器としてメロディーを美しい音奏でることが魅力ですが、

 その旋律としての美しさを発揮できずにいる演奏が実はすごく多いのです

 

 この記事では、ヴァイオリンでメロディーを美しく奏でるヒントを、その冒頭の旋律

 の美しさで知られるメンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏ホ短調から、まさにその

 冒頭部分を使って説明してみます。

 

前奏とソロの方向感を意識する

 まず、冒頭部分の独奏ヴァイオリンが始まる前の短い前奏。

 この前奏は、ソロのメロディーへつながる疾走感を演出しています

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 それを受けて始まるソロのメロディーでも

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 次につながるように、次こそが目的地であると意識すること

 このメロディーが美しく自然に始められます。

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 この部分では、アウフタクトはV(アップ)、目的地においては冂(ダウン)と

 することで、次につながり、次こそが目的地であることを表現しやすくなります。

 「V」と「冂」によってもたらされるニュアンスと、音楽が目指す“目的地”とを

 同時に意識して奏でることが大切です

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音の方向感を意識する

 ここで気をつけなければいけないのが、冒頭の「シ」の音の出し方です

 次につながるように、次こそが目的地であると意識しながら奏でるなかで、

 最初の「シ」の音が、不自然に大きな音や強い印象の音になってしまったり

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 次の八分音符の「シ」の音も、強い印象の音になることは避けなければなりません。

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 そのためには、ビブラートの強弱、運弓の速度・圧力を考慮すること必要であり、

 それによって、次につながる旋律としてより一層、美しく華麗なメロディーが奏で

 られるようになります。

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 そして、Allegro molto appasionato と記載されていることから、この冒頭部分は

 音量としてはp(ビアノ)でありながら

 表情としてはappassionato(アパッショナート)として情熱的に奏でるという

 実に高度な音楽表現も要求されます。

 それについては、ヴァイオリン伝統的なレッスンで学ぶことができます。

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冒頭の音程を追求する

 この名旋律をさらに美しくするための最重要ポイントは、なんといっても冒頭の

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の音の音程です


ヴァイオリン調弦

 冒頭の「シ」の音の音程について説明する前に、まずはヴァイオリンが正しく調弦

 されていることが基本となるため、調弦方法についておさらいします。

 

 ヴァイオリンの音程の取り方のページにも書いたように、ヴァイオリンを正しく

 調弦するためには、[差音]を聴きながら行います。

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というように[ソ][レ][ラ][ミ]の音で調弦する際には


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調弦では

 

 

 

調弦では

 

 

 

調弦では

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差音

 

 

 

差音

 

 

 

差音が響くように調弦します。


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「シ」の音の音程

 ヴァイオリンにおいて、「シ」の音の音程正確には5種類あります。

 ここでは、聴取・判別しやすい2種類の「シ」について説明します。

 

 『ヴァイオリンのポジション移動における〈鉄則〉と[原則]』でも詳述したように

 「シ」の音の音程を

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 開放弦「レ」と完全にオクターブ上となる「レ」と調和させた音程で取った場合と

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(音符の位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせています

 (譜例の符頭の点滅が、その重音音程

 調和した際に聞かれる[差音です


 開放弦「ミ」と調和する「シ」の音程と完全にオクターブ上の音程で取った場合では

メンデルスゾーン ヴァイオリン 協奏曲 ホ短調 冒頭 叡智 礎 伝統 奏法 音 音楽 奏でる 秘訣 解説

(音符の位置を少し上下させて

 音程の高低をイメージさせています

 (譜例の符頭の点滅が、その重音音程

 調和した際に聞かれる[差音です


 開放弦「レ」から取った「シ」の音は、音程が低い「シ」となり、

 開放弦「ミ」から取った「シ」の音は、音程が高い「シ」となります。

 

 では、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏ホ短調の冒頭部分の「シ」の音程

 どうであるかというと、上掲の2種類のいずれとも異なる音程となります。

 

 『メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲』で書いたように、NHK・時事新報社

 音楽コンクール(後の毎日音楽コンクール、現在の日本音楽コンクール)の第1回

 のコンクールでメンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調を弾いて優勝された

 鷲見四郎先生は、このレッスンされる際、冒頭の「シ」の音の音程の取り方だけ

 で何時間にもわたり熱心に指導されていました。

 

 それほど、この「シ」の音の音程は奥が深いものなのです

 それについては、ヴァイオリン伝統的なレッスンで学ぶことができます。

 

楽器」を「楽揆」として演奏する

 このように、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏ホ短調の冒頭だけでも

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 さらに美しく演奏するためには、

 次につながるように、次こそが目的地という意識のもとに

 右手では、運弓の速度・圧力

 左手では、ビブラートの強弱・音程について配慮し調整し、

 p(ビアノ)でありながら、appassionato(アパッショナート)として

 奏でることできてはじめて、「音」を「音楽」として奏でられるのです

 

 そうした演奏の際の様々な配慮や調整などを「揆」(はかる)と表現するなら、

 音楽を奏でる楽器」は、「楽揆」として扱われ、奏でられることで、その演奏

 生き生きと輝くものとなるのです

 

伝統的な奏法を学ぶ

 ヴァイオリンには、300年近い歴史に育まれたヴァイオリンの音程の取り方

 クラシック音楽の「様式」に依る「所作」などのヴァイオリンの運弓のやり方

 存在します。

 

 それらは、伝統的な奏法として受け継がれてきましたが、

 『上級奏者必見!ヴァイオリンの運弓――様式と所作で表現力を高める』ならびに

 『すべてのヴァイオリニストへ捧ぐ――究極の美音と確かな演奏技術で劇的上達

 で詳述したように、伝統的な奏法は、高度で緻密であるがゆえに、現代では、

 それを教えられる指導者が減少し、それに伴い、伝統的な奏法を学ぶこともまた、

 非常に困難になっています

 

 ヴァイオリンという「楽器」を「楽揆」として演奏するためには、伝統的な奏法

 欠かせません。それは、文字などでは到底伝えられるものではないため、直接指導

 され、学ばれること必要になります。当教室では、こうした伝統的な奏法を丁寧

 に指導しています

 

美しい旋律をより美しく、そしてその先の未来へ

 伝統的な奏法に基づくヴァイオリン本来音色を知ると、その気づきは

 「さらに正確音程を追求したい」という強い思いへと育っていきます。

 

 そして伝統的な奏法学びヴァイオリン正しい音程弾けることは、

 これから先も一生を通じてかけがえのない財産となるでしょう。

 

 イワモト ヴァイオリン教室では、一般の方に加えて、音大生・演奏者・指導者の方

 へのレッスンでも、ヴァイオリンの伝統的な奏法を通じて、「楽器」を「楽揆」と

 して演奏し、音楽の無限の可能性を広げていけるよう、全力でサポートいたします。

 

 美しい旋律をより美しく。

 「音」を「音楽」として奏でるための第一歩を踏み出してみませんか?

 東京都狛江市にある美しい音色・正しい音程・伝統の奏法重視の

 「イワモト ヴァイオリン教室」

 住所(狛江教室):〒201-0003 東京都狛江市和泉本町2-31-4メイプルビル301

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