ヴァイオリンをより効果的に調弦するために

本当に上達したい方のためのヴァイオリン教室です ヴァイオリン教室 バイオリンレッスン

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 イワモト ヴァイオリン教室では
 専門家を目指す方だけではなく、趣味で習う方にも
 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
 基礎的な演奏技術を大切に指導
 一音いちおん丁寧に
 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

 ヴァイオリン本当に上手に弾けるようになりたい方は
 当教室バイオリンレッスンをぜひ受けてみてください。

調弦 音叉 チャイムバー ヴァイオリン教室 バイオリンレッスン

ヴァイオリンに限らず

 オーケストラのチューニングにおいては

 オーボエの[ラ]の音を基準にしています

 [ラ]の音を基準とする際、その周波数は、440Hzが標準とされています。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/A440

であれば

 [ラ]の音=A線から調弦するヴァイオリンも

 440Hzの音叉やバーチャイムを基準とする…とお思いになるかもしれません。

けれども

 [ラ]の音の周波数を440Hzを基準としてヴァイオリンを奏でるためには

 [ラ]の音を442.75Hzに調弦する必要があるのです。

事実

 かつて師事した三郎先生は

(私達門弟は、鷲見三郎先生のことを、今でも尊敬を込めてこうお呼びします)

 [ラ]の音を440Hzで調弦すると「もっと高く」と仰り

 [ラ]の音を442Hzで調弦すると「もう少しだけ高く」と言われてましたが

 これはただ単に、少し高めに調弦しておくことで音が目立つ…などといったこと

 理由ではないのです。

さらに

 かつて師事した四郎先生は

(やはり門弟達は、鷲見四郎先生のことを、今でも尊敬を込めてこうお呼びします)

 私がアシスタントをしていた際に、音叉ではなくチャイムバーの利用を提唱し

 複数の周波数のチャイムバーをご用意した際に

 442Hzのチャイムバーでは「相当低い」と仰り

 443Hzのチャイムバーでは「少し高い」と仰るので

 さらに細かい周波数のチャイムバーもメーカー作製してもらい

 442Hz

 442.25Hz

 442.5 Hz

 442.75Hz

 443Hzのチャイムバーを順に聴いていただいたところ

 それぞれの周波数などは一切お伝えしていないにもかかわらず 

 442.75Hzのチャイムバーで納得されていました。 

そして今現在

 狛江教室でのレッスンの際には、この記事の冒頭で掲げた写真にもあるように

 442.75Hzに起因する、それとは異なる周波数の音叉とバーチャイムを使って

 調弦していますし

 生徒さん方にも調弦する際に用いる音叉として

 442.75Hzに起因する、それとは異なる周波数の音叉を特注したものを

 使っていただいています

調弦 音叉 ヴァイオリン教室 バイオリンレッスン
調弦 音叉 ヴァイオリン教室 バイオリンレッスン

(なお

 音叉を特注していたコッス株式会社の工場が2017年に火災で焼失し

 2018年の夏頃まで生産が再開されないため

 その間に音叉必要になった方には代替案を提案していましたが

 2018年5月現在、生産が再開されています

そうしたことから

ヴァイオリンをより効果的に調弦するために』(当記事)では

 何故

 440Hzを基準とすると

 442.75Hzでの調弦が必要になるのか

 ということについて

ヴァイオリンをより効率的に調弦するために』(次の記事)では

 何故

 442.75Hzに起因する別の周波数の音叉を使用しているのか

 ということについて書きたいと思います

(なお

 このブログはブログの目次のページにも記したように

 レッスンを申し込まれる判断材料として

 レッスン方針・レッスン形態のページなどとも併せてご覧いただくために

 書いているものですので

 この記事の範囲ではどなたにもご覧いただけるようにしましたが

 この記事の続きは私の生徒さんが参照していただくために書いたことから

ヴァイオリンをより効果的に調弦するために(当記事) の後半とともに

ヴァイオリンをより効率的に調弦するために(次の記事)の後半でも

 閲覧のためにはパスワードが必要になります)

ということ

 440Hzを基準とすると、442.75Hzでの調弦必要…と書くと

 「少し高めに調弦すると、音が華麗に響くから」と考える人が居るかもしれませんが

 「少し高め」というだけで、442.75などという数値は導けず

 [ラ]の音の周波数を440Hzを基準としてヴァイオリンを奏でるためには

 [ラ]の音を442.75Hzに調弦する必要があることについて

 詳しく説明したいと思います

その説明のために

 完全8度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 1:2

 完全5度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 2:3

 長 3度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 4:5

 という3つの比率を使って

 [ド][レ][ミ][ファ][ソ][ラ][シ][ド]の振動数の比率を導きます。

先ず

 完全8度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 1:2 で

 [ド]の音の比率を1とすると

 [ド]の音の完全8度(1オクターブ)上の[ド]は2になります。

完全8度[ド][ド]

次に

 完全5度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 2:3 で

 [ド]の音の比率を1とすると

 [ド]の音の完全5度上の[ソ]は3/2になります。

完全5度[ド][ソ]

次に

 長 3度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 4:5 で

 [ド]の音の比率を1とすると

 [ド]の音の長 3度上の[ミ]は5/4になります。

長 3度[ド][ミ]

次に

 完全5度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 2:3 で

 [ミ]の音の比率が5/4なので

 [ミ]の音の完全5度上の[レ]は15/8(5/4×3/2)になります。

完全5度[ミ][シ]

次に

 完全5度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 2:3 で

 [ド]の音の比率が2なので

 [ド]の音の完全5度下の[ファ]は4/3(2×2/3)になります。

完全5度[ド][ファ]

次に

 長 3度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 4:5 で

 [ファ]の音の比率が4/3なので

 [ファ]の音の長 3度上の[ラ]は5/3(4/3×5/4)になります。

長 3度[ファ][ラ]

次に

 完全5度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 2:3 で

 [ソ]の音の比率が3/2なので

 [ソ]の音の完全5度上の[レ]は9/4(3/2×3/2)になります。

完全5度[ソ][レ]

そして

 完全8度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 1:2 で

 [レ]の音の比率が9/4なので

 [レ]の音の完全8度下の[レ]は9/8(9/4×1/2)になります。

完全8度[レ][レ]

ということ

 完全8度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 1:2

 完全5度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 2:3

 長 3度 の音程の2つの音同士の振動数の比率は 4:5

 という3つの比率を使って

 [ド][レ][ミ][ファ][ソ][ラ][シ][ド]の比率

 求められました。

完全8度 完全5度 長3度で導いた[ド][レ][ミ][ファ][ソ][ラ][シ][ド]

そして

 このようにして求められた

 [ド][レ][ミ][ファ][ソ][ラ][シ][ド]の比率

 一見すると複雑に思えますが

 実は非常に単純で美しい比率であることがわかります。

それは

 例えば

 [ド][ミ][ソ]という単純な音階において

[ド][ミ][ソ]

 既出の

 [ド][レ][ミ][ファ][ソ][ラ][シ][ド]の比率を見てみると

[ド][ミ][ソ]

 というように

 一見すると複雑な比率ように思えますが

 この音階音程比率の分数を通分してみると

[ド][ミ][ソ]

 となり

 この音階音程比率は4:5:6という単純なものであることがわかります。

[ド][ミ][ソ]

同様に

 例えば

 [ファ][ラ][ド]という単純な音階においても

[ファ][ラ][ド]

 例えば

 [ソ][シ][レ]という単純な音階においても

[ソ][シ][レ]

 となり

 何れの音程比率も4:5:6という単純なものであることがわかります。

そして

 こうした音階における音程比率が単純なものであることについて

 『複合純正音律ピアノのすすめ』(音楽之友社)で著者の高橋彰彦氏は

 「ほとんど物理数学の裏付けを持たなかった先人たちが、生理的音感だけで

  立派な自然倍音律による音階を作り上げていたことは驚くべきことであると共に、

  本能的に美しい物理学的法則に適合した方向に進む人間の感覚の確かさに、私は

  嬉しくなってしまいます。」と書かれています

ところが

 上掲の美しい物理学的法則に適合した音階においては、ある問題点があり

 その問題点が原因冒頭既述のように

 [ラ]の音の周波数を440Hzを基準としてヴァイオリンを奏でるためには

 [ラ]の音を442.75Hzに調弦する必要が生じるのです。

(既述のように

 このブログはブログの目次のページにも記したように

 レッスンを申し込まれる判断材料として

 レッスン方針・レッスン形態のページなどとも併せてご覧いただくために

 書いているものですので

 この記事の範囲ではどなたにもご覧いただけるようにしましたが

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