(モバイルでは端末を横長にしてご覧ください)
(iPhoneなどで端末を横長にして画面の左側にブックマークなどの表示が出る場合は
画面最上部のアドレスバーの左側の青くなっているブック(本)のマークのアイコンをクリックすると消えます)
イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
「速いパッセージで音程がブレる」
ヴァイオリンを弾いているなかで、そのようなお悩みはありませんか?
そんな時には、正しい練習ができているか、これまでの練習方法を確認してみる
前回の記事
『ヴァイオリンの上達を凡事徹底で究める――先人の遺産〈定型練習法〉』では、
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番第一楽章を題材にして、
先人たちが築き上げた伝統的〈定型練習法〉を紹介しました。
ヴァイオリンの練習法には、この伝統的な〈定型練習法〉のほかにも、より
根本的で真の“鉄則”ともいえる、不変的な〈鉄則練習法〉も数多く存在します。
これらの練習法は、ヴァイオリンの演奏をさらに的確かつ効率的に上達させられる
点で、すべての方に学んでほしいものです。
今回は、こうした不変的な〈鉄則練習法〉について、あなたもきっと学んだことの
ある、ヴァイオリンの学習者において必修のエチュードである『カイザー』を
例にとって解説します。
第一の名教師:レオポルト・モーツァルト
レオポルト・モーツァルトJohann Georg Leopold Mozart は、かの作曲家
モーツァルトの父親であり、ヴァイオリンの名教師としても知られています。
『悪魔のトリル』で知られるタルティーニが発見した[差音]に関して
「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば、
同時に、確かに弱い音だがはっきりと聞こえる大きさで、下の音が聞こえてくる」
と書かれています。
「ふたつの音を正確にとって」とあるように、左手(運指)で正確な音程を取り
「正しく引き出すことができれば」のように、右手(運弓)で正しく響かせれば
[差音]が生じます。
ヴァイオリンの重音の練習は、この[差音]が聴こえるように行う。
ヴィオッティ(トゥルテに今日の形状の楽弓の製作を依頼) ↓ ベリオ クロイツェル ローデ ↓ ヴュータン パガニーニ ↓ ↓ ウィニアフスキー & エルンスト ↓ ↓ イザイ ヨアヒム ↓ ↓ ギンゴールド アウアー
オーケストラ奏者必携・必修の課題集編纂者
かの帝王カラヤンも頭が上がらなかった名指揮者セルは、クリーヴランド管弦楽団の
常任指揮者に就任後、猛練習を重ね、「現代オーケストラ芸術の奇跡」と評される
究極のアンサンブルを実現させました。そして、その実現のためコンサートマスター
への就任を要請されたのがジョーゼフ・ギンゴールドです。
そのギンゴールドが編んだ『ORCHESTRAL EXCERPTS』は、プロオーケストラの
入団試験で必ず出題され、また、一般奏者にも必携・必修のバイブルとなって
います。
インターナショナル版『カイザー』は、そのようなギンゴールドが運指・運弓を
校訂しており、だからこそ、この第10番の欄外に、わずかな譜例で不変的な
〈鉄則練習法〉を記すことができたのです。
Josef Gingold (editor)
KAYSER
Orchestral Excerpts for Violin, Volume 1
Orchestral Excerpts for Violin, Volume 2
Orchestral Excerpts for Violin, Volume 3
第一のポイント:運指は「あらかじめ一斉に」用意する
『カイザー』第10番の第1小節に対して
欄外の譜例として、このような和音が記されているのは
第二のポイント:[差音]で音程を正確に定める
『カイザー』第10番の第1小節に対して
欄外の譜例として、このような和音が記されているもう一つの意味は
フレーズごとに和音として捉え、その音程は[差音]で定まるということです。
[差音]は、正確な音程が取れた時に生じるため、この和音を[差音]が
聴こえるように音程を調整しながら練習することで、正しい音程が定まります。
まずフレーズごとに和音として捉え、演奏前にあらかじめ一斉に指を置いておき、
これが、この課題に対して示された不変的な〈鉄則練習法〉の二つ目です。
この不変的な〈鉄則練習法〉を行えば
あらかじめ指を置いておくことで「速いパッセージで音程がブレる」問題も解決し
[差音]を響かせる運弓練習が「もっと豊かな響きを出したい」という問題も解消し
この練習法により「練習はしているのに、なかなか上手くならない」という問題まで
一気に解決してしまうのです。
このように二人の名教師による不変的な〈鉄則練習法〉は、的確かつ効率的に上達
できるからこそ“鉄則”であり、『カイザー』の数ある課題の中でも、特にこの課題
では、そうした“鉄則”が2つも内包されているからこそ、ギンゴールドはそれを
欄外の譜例で示したのです。
不変的な“鉄則”がもたらす豊かな未来
不変的な〈鉄則練習法〉は、この記事で紹介した練習方法以外にも存在します。
そしてそれらは、『カイザー』の他の課題はもちろん、ヴァイオリンのあらゆる
基礎練習やエチュード、楽曲にも適用されるべき方法なのです。
しかし、現代ではインターネットを通じた情報発信の自由化などの影響もあり、
それらが必ずしも学び伝えられなくなってきています。そのようななかで、
イワモト ヴァイオリン教室では、単に曲を「通す」だけで終わらせず、必ず学び
踏まえるべき不変的な〈鉄則練習法〉を前提としたレッスンで、どなたも上達に
導いています。
▶『カイザー』はもちろん、それ以外のエチュードや楽曲でも〈鉄則練習法〉を伝授
▶一般の方に加えて音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンでも、その方法を伝授
▶一生使えるヴァイオリン演奏の基礎である“鉄則”がきちんと身につきます。
[金科玉条]を超える[金貨玉条]の価値
不変的な〈鉄則練習法〉は、あなたの演奏技術と表現力をより一層、短期間で確実に
高めることができます。
そしてそれは、あらゆる楽曲演奏において大いなる財産となる点で、まさしく
[金科玉条]を超える[金貨玉条]と言えるでしょう。
「曲を弾き通す」だけでは得られない、音程や響きを確実に捉えられる練習方法。
こうした手法の積み重ねにより、確実に上達したい方は、イワモト ヴァイオリン
教室にぜひお越しください。
東京都狛江市にある美しい音色・正しい音程・伝統の奏法重視の
「イワモト ヴァイオリン教室」
住所(狛江教室):〒201-0003 東京都狛江市和泉本町2-31-4メイプルビル301
営業時間 :10:30~23:30(日・月・水・木・土)
各色のマークをクリックすると、関連リンクが表示されます。
(下掲のボックスでブログ(サイト)内の検索ができます)
このブログの文章・画像・その他のコンテンツを含む一切の転載をお断りいたします
カテゴリ: 究極のヴァイオリン奏法