金科玉条――カイザーにみるヴァイオリン上達の不変的な〈鉄則練習法〉

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 イワモト ヴァイオリン教室では
 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
 基礎的な演奏技術を大切に指導
 一音いちおん丁寧に
 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

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ヴァイオリンの「正しい練習できていますか?

 「速いパッセージで音程がブレる」

 「もっと豊かな響きを出したい

 「練習しているのに、なかなか上手くならない」

 ヴァイオリン弾いているなかで、そのようなお悩みはありませんか?

 そんな時には、正しい練習できているか、これまでの練習方法確認してみる

 ことはとても有効です

 

 前回の記事

 『ヴァイオリンの上達を凡事徹底で究める――先人の遺産〈定型練習法〉』では、

 ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番第一楽章を題材にして、

 先人たちが築き上げた伝統的〈定型練習法〉を紹介しました。

 

 ヴァイオリン練習法には、この伝統的な〈定型練習法〉のほかにも、より

 根本的で真の“鉄則”ともいえる、不変的な〈鉄則練習法〉も数多く存在します。

 これらの練習法は、ヴァイオリン演奏をさらに的確かつ効率的に上達させられる

 点で、すべての方に学んでほしいものです

 

 今回は、こうした不変的な〈鉄則練習法〉について、あなたもきっと学んだことの

 ある、ヴァイオリンの学習者において必修のエチュードである『カイザー』を

 例にとって解説します。

 

『カイザー』の欄外に記された譜例

 ここにご覧いただくのは、

 ジョーゼフ・ギンゴールド校訂のインターナショナル版『カイザー』の楽譜です。

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 その第10番の欄外に、赤枠で示した譜例が記載されています。

 これは何を意味するのでしょうか。

 

 実はこれが、この課題における不変的な〈鉄則練習法〉を示しているのです

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 そして、そこには二人の名教師の存在があり、そのことを知れば

 本当練習を行うことができるのです

 

 以下に、その二人の名教師を紹介します。

 

第一の名教師:レオポルト・モーツァルト

 レオポルト・モーツァルトJohann Georg Leopold Mozart は、かの作曲家

 モーツァルトの父親であり、ヴァイオリンの名教師としても知られています。

 

 2017年5月に新訳が発売されたレオポルトの著書『ヴァイオリン奏法』では、

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 『悪魔のトリル』で知られるタルティーニが発見した[差音]に関して

 「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば、

  同時に、確かに弱い音だがはっきりと聞こえる大きさで、下の音が聞こえてくる」

 と書かれています

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 「ふたつの音を正確にとって」とあるように左手運指)で正確音程を取り

 「正しく引き出すことができれば」のように右手(運弓)で正しく響かせれば

 [差音]が生じます。

 ヴァイオリン重音練習は、この[差音]が聴こえるように行う。

 これはヴァイオリンの不変的な〈鉄則練習法〉のひとつです

 

第ニの名教師:ジョーゼフ・ギンゴールド

 ジョーゼフ・ギンゴールドJosef Gingoldは、インターナショナル版『カイザー

 の校訂者であり、アメリカのヴァイオリンの名教師として知られています。

ヴィオッティ直系の系譜

 下掲の系譜からもわかるように、ギンゴールドは、ヴィオッティ直系の、まさに

 正統的な奏法受け継いだヴァイオリニストであるといえます。

 ヴィオッティ(トゥルテに今日の状の楽弓の製作を依頼)
  ↓
 ベリオ クロイツェル ローデ
  ↓
 ヴュータン      パガニーニ
  ↓          ↓
 ウィニアフスキー & エルンスト
  ↓          ↓
 イザイ        ヨアヒム
  ↓          ↓
 ギンゴールド     アウアー

 この系譜に連なるギンゴールドは、まさに正統的な奏法受け継いだ

 ヴァイオリニストであるといえます。

オーケストラ奏者必携・必修の課題集編纂者 

 かの帝王カラヤンも頭が上がらなかった名指揮者セルは、クリーヴランド管弦楽団の

 常任指揮者に就任後、猛練習を重ね、「現代オーケストラ芸術の奇跡」と評される

 究極のアンサンブルを実現させました。そして、その実現のためコンサートマスター

 への就任を要請されたのがジョーゼフ・ギンゴールドです

 そのギンゴールドが編んだ『ORCHESTRAL EXCERPTS』は、プロオーケストラの

 入団試験で必ず出題され、また、一般奏者にも必携・必修のバイブルとなって

 います。

 インターナショナル版『カイザー』は、そのようなギンゴールドが運指・運弓を

 校訂しており、だからこそ、この第10番の欄外に、わずかな譜例で不変的な

 〈鉄則練習法〉を記すことができたのです。

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          Josef Gingold (editor)

          KAYSER

          Orchestral Excerpts for Violin, Volume 1

          Orchestral Excerpts for Violin, Volume 2

          Orchestral Excerpts for Violin, Volume 3


『カイザー』にみる不変的な〈鉄則練習法〉

 『カイザー』の第10番の欄外の、赤枠で示した譜例。

 ここに、紹介した二人の名教師が伝える不変的な〈鉄則練習法〉が

 二つ含まれています。

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第一のポイント:運指は「あらかじめ一斉に」用意する

 『カイザー』第10番の第1小節に対して

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 欄外の譜例として、このような和音が記されているのは

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 フレーズごとに和音として捉え、あらかじめ指を一斉に置いて保持すること

 意味しています

 弾いている音符にしか指を置いていなかったり

 (音符を演奏する度にバラバラに指を配する)

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 音符を演奏してから指を保持するというのも不十分で

 (音符を演奏して置いた後に指を保持する(――はその指の保持))

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 和音が示すように3つの音を一つの塊として捉えて同時に指を準備すること

 (フレーズごとに和音として捉え、あらかじめ一斉に押さえて保持)

 (上段は、欄外の和音の譜例)

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 これが、この課題に対して示された不変的な〈鉄則練習法〉の一つ目です

第二のポイント:[差音]で音程を正確に定める

 『カイザー』第10番の第1小節に対して

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 欄外の譜例として、このような和音が記されているもう一つの意味

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 フレーズごとに和音として捉え、その音程は[差音]で定まるということです

 [差音]は、正確音程が取れた時に生じるため、この和音を[差音]が

 聴こえるように音程調整しながら練習することで、正しい音程が定まります。

 まずフレーズごとに和音として捉え、演奏前にあらかじめ一斉に指を置いておき、

 [差音]が響く正しい音程弾けるように練習することが“鉄則”です

 (下掲の譜例で符頭のみの点滅で示した音が[差音です

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 これが、この課題に対して示された不変的な〈鉄則練習法〉の二つ目です。

 

 この不変的な〈鉄則練習法〉を行えば

 あらかじめ指を置いておくことで「速いパッセージで音程がブレる」問題も解決し

 [差音]を響かせる運弓練習が「もっと豊かな響きを出したい」という問題も解消し

 この練習法により「練習しているのに、なかなか上手くならない」という問題まで

 一気に解決してしまうのです

 

 このように二人の名教師による不変的な〈鉄則練習法〉は、的確かつ効率的に上達

 できるからこそ“鉄則”であり、『カイザー』の数ある課題の中でも、特にこの課題

 では、そうした“鉄則”が2つも内包されているからこそ、ギンゴールドはそれを

 欄外の譜例で示したのです。

 

不変的な“鉄則”がもたらす豊かな未来

 不変的な〈鉄則練習法〉は、この記事で紹介した練習方法以外にも存在します。

 そしてそれらは、『カイザー』の他の課題はもちろん、ヴァイオリンのあらゆる

 基礎練習やエチュード、楽曲にも適用されるべき方法なのです。

 

 しかし、現代ではインターネットを通じた情報発信の自由化などの影響もあり、

 それらが必ずしも学び伝えられなくなってきています。そのようななかで、

 イワモト ヴァイオリン教室では、単にを「通す」だけで終わらせず、必ず学び

 踏まえるべき不変的な〈鉄則練習法〉を前提としたレッスンで、どなたも上達

 導いています。

 

 ▶『カイザー』はもちろん、それ以外のエチュードや楽曲でも〈鉄則練習法〉を伝授

 ▶一般の方に加えて音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンでも、その方法を伝授

 ▶一生使えるヴァイオリン演奏の基礎である“鉄則”がきちんと身につきます。

 

[金科玉条]を超える[金貨玉条]の価値

 不変的な〈鉄則練習法〉は、あなたの演奏技術と表現力をより一層、短期間で確実

 高めることができます。

 そしてそれは、あらゆる楽演奏において大いなる財産となる点で、まさしく

 [金科玉条]を超える[金貨玉条]と言えるでしょう。

 

 「を弾き通す」だけでは得られない、音程響き確実に捉えられる練習方法

 こうした手法の積み重ねにより、確実上達したい方は、イワモト ヴァイオリン

 教室にぜひお越しください。

 東京都狛江市にある美しい音色・正しい音程・伝統の奏法重視の

 「イワモト ヴァイオリン教室」

 住所(狛江教室):〒201-0003 東京都狛江市和泉本町2-31-4メイプルビル301

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